- 変化は三段階で来た。まず日本語を含む多言語UI。
- 手順は4つ。①言語設定: スマホ本体の設定でBaeminの言語を日本語にする。
- 最後の壁は会員登録のSMS認証だ。韓国の電話番号があれば滑らかに通る。

韓国は世界でも有数の「配達の国」だ。深夜2時にチキンが届き、漢江の芝生にまでジャージャー麺が来る。ところがつい最近まで、この便利さは旅行者には閉ざされていた。韓国発行のカードと韓国語がなければ、アプリは事実上動かなかったからだ。
2026年、状況がはっきり変わった。最大手の배달의민족(Baemin)が英語・中国語・日本語のUIを整え、6月2日からはApple Pay経由の海外カード決済に対応した。Visa、Mastercard、American Expressに加えてJCBも使える。日本の財布のままで、韓国の出前が頼める時代がようやく来た。
この記事では、ホテルの部屋にチキンが届くまでの流れを、画面の順番どおりに追っていく。まだ残っているハードルと、その回避策も隠さず書く。
目次
1. 何が変わったのか
2. 実際に注文する — ホテルの部屋に届くまで
3. まだ残るハードルと、その回避策
4. 何を頼むか — 夜食は文化だ
5. よくある質問
1. 何が変わったのか
変化は三段階で来た。まず日本語を含む多言語UI。次に2026年5月21日、外国人向けの英語版「使い方ガイド」の配布。そして決定打が6月2日のApple Pay海外カード対応だ。Wallet内のカードで、韓国のアプリ内決済がそのまま通る。

数字がその需要を裏づける。2026年1〜3月の海外決済手段による注文は前年比およそ3.7倍。4月の決済額は約14倍。つまり「使わせてくれれば使う」旅行者が、それだけ待っていたということだ。
ただし完全なフリーパスではない。会員登録時の電話番号認証というハードルが残っている。対処法は第3章で。
2. 実際に注文する — ホテルの部屋に届くまで
手順は4つ。①言語設定: スマホ本体の設定でBaeminの言語を日本語にする。②住所: ここが最重要で、ホテルの住所は韓国語で入れるのが確実だ。ホテルの韓国語名を地図検索で選び、備考欄に部屋番号を書く。③決済: 支払い画面でApple Payを選ぶ。④受け取り: 「1층 로비(1階ロビー)」指定が無難。フロントに「配達が来ます」と一言伝えておくと完璧だ。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 最低注文金額 | 1万〜1.5万ウォン程度(店による) |
| 配達費 | 2,000〜4,000ウォン前後 |
| 所要時間 | 20〜40分 |
| チップ | 不要(韓国に配達チップの習慣はない) |
配達員からの電話に出られないのが旅行者の弱点だが、心配は要らない。韓国では「置き配」が標準で、ドアの前の写真がアプリに届く。ロビー受け取りにしておけば、電話が来ることもほぼない。
3. まだ残るハードルと、その回避策
最後の壁は会員登録のSMS認証だ。韓国の電話番号があれば滑らかに通る。音声通話つきの韓国eSIMや空港で買うSIMなら番号が付くが、データ専用eSIMには番号がない。ここで詰まる人が一番多い。
番号なしで完結させたいなら、外国人向けに作られたShuttleという選択肢がある。英語UI、PayPal決済、韓国番号不要。加盟店はBaeminより少ないが、ソウル中心部のホテル滞在なら実用十分だ。Coupang Eatsも英語UIを備えるが、海外カードの通りは店舗と時期で差がある。Yogiyoはほぼ韓国語のままで、旅行者向きではない。
決済まわりの基礎は別記事に詳しい。Apple PayとT-money、海外カードとATMの現実もあわせてどうぞ。
4. 何を頼むか — 夜食は文化だ

迷ったらチキンでいい。韓国のフライドチキンはフランチャイズだけで数十ブランドあり、ヤンニョム(甘辛)、間醤油、ハニーバターと系統が分かれる。ビールと合わせる「チメク」は、ドラマで見たあの絵をそのまま自分の部屋で再現できる。

韓国語には「야식(夜食)」という独立した単語がある。それ自体がひとつの食文化だ。焼き足(チョッパル)、ポッサム、トッポッキセット——観光の締めに、雨の夜、部屋で頼む一食は、下手なレストランより旅の記憶に残る。
要点
• Baeminは日本語UIに対応。2026年6月2日からApple Pay経由で海外カード(JCB可)が使える
• 住所は韓国語で。ホテル韓国語名+部屋番号+「1階ロビー」指定が確実
• 最後のハードルは電話番号認証。韓国番号がなければ英語アプリのShuttleが代替
• 配達費は2,000〜4,000ウォン、チップ不要、20〜40分で届く
• 迷ったらチメク。「夜食」は韓国旅行の立派な1食分だ
よくある質問
日本のクレジットカードで支払えますか?
はい。2026年6月2日以降、Apple Payに登録したVisa・Mastercard・JCB・American Expressで決済できます。アプリへの海外カード直接登録も順次対応していますが、Apple Pay経由がいちばん確実です。
韓国語ができなくても使えますか?
UIは日本語に切り替えられます。ただし店名やメニュー名は韓国語のままのことが多いので、写真と価格で判断するのが実際的です。
ホテルに届けてもらえますか?
できます。住所欄でホテルを韓国語名で選び、部屋番号を備考に書き、受け取り場所を1階ロビーにするのが確実です。フロントへの一言も忘れずに。
チップは必要ですか?
不要です。韓国には配達チップの習慣がなく、配達費(2,000〜4,000ウォン前後)に全て含まれています。
電話番号認証を通れない場合は?
外国人向けアプリのShuttle(英語UI・PayPal可・韓国番号不要)を使うか、フロントに代理注文を頼む手があります。音声通話つき韓国eSIMを最初から選んでおくのが根本解決です。
2026年8月17日時点の情報です。アプリの仕様・対応カード・手数料は変わることがあります。出典: Woowa Brothers公表資料(2026年5月)、各アプリ公式ヘルプ。写真: Wikimedia Commons(各キャプションに記載)。